フローリングの種類と歴史

フローリングの種類と歴史

新築やリフォームを計画中の方は、リビングダイニング、寝室、子供部屋、それぞれの床や壁について真剣に検討していることと思います。

フローリングは構造的に大きく分けると無垢(単層)複合(複層)の2つのタイプがあり、それぞれメリットデメリットがあります。

今回はフローリングの種類歴史についてお話します。

フローリング誕生の背景

さて、フローリングの歴史はそれほど長くなく、数十年前に建材メーカーの開発により誕生しました。

戦後の住宅の床の歴史を振り返ると、畳、板敷(無垢の板)、カーペット(絨毯)、クッションフロアなど様々な床材が登場しています。

高度経済成長を経てからも「豊かさの象徴」としてカーペット(絨毯)が好まれた時期が長くありました。

今でも、30~40年前に建てられた住まいにお邪魔すると居室だけでなく階段やホールまでもがカーペット(絨毯)などということもありますよね。

カーペット(絨毯)は板敷と比べて吸音効果が高いので集合住宅の上下階のトラブルを解消するのにも一役買いました。

平成の初めごろまではまだカーペット敷きのマンションも多かったようです。

カーペット敷の階段

ただ、カーペットに住みついたダニやアレルギーなどによる健康被害が大問題になりました。
そこで、建材メーカーが開発したのが今日最も普及しているフローリングなのです。

長くなりましたが、ざっとフローリング誕生の背景をおさらいしました。

板の間と
フローリングの違い

板の間とフローリングは床材として木材を使用していますが、使用される場所によって呼び方が変わります。

昔の日本の住宅は畳敷きが多く、畳敷きの部屋を畳の間、板敷きの部屋の事を板の間と呼んでました。

洋風の部屋が主流になった今では、洋風の部屋に使用された場合はフローリング、和風の部屋に使用された場合は床の間と呼ぶようになりました。

フローリングの種類

フローリングは構造的に大きく分けると主に2つのタイプがあります。単層フローリングと、複層フローリングです。

単層フローリングとはいわゆる無垢フロアのこと。
一般的に単に「フローリング」と言う場合は、複合(複層)フローリングを指すことがほとんどです。

単層(無垢)フローリングに
ついて

無垢フローリング 注文住宅で人気の樹種一覧

まず1つ目、単層フローリングです。
これはいわゆる、無垢フローリングのこと。いわゆる無垢材の一枚板で構成されています。

無垢フローリングは、木の種類による風合いや肌触り、色目の違い、木目の素材感を生かせるのが特徴です。
複合フローリングにはない、自然素材ならではの魅力が詰まっていますよ。

また、無垢材のフローリングは木の硬さの見極めも大切で、好みや用途によってちょうどよい硬さを選びます。

樹種は大きく分けると広葉樹と針葉樹があります。
英語では広葉樹=Hard wood、針葉樹=Soft woodというようです。

すなわち、大まかに言うと、重く堅い広葉樹、軽く柔らかい針葉樹という特徴があるのですが、更に詳しく見てみましょう。

広葉樹について

広葉樹は硬くて重いため傷がつきにくいのが特徴です。

木に含まれる空気の割合が少ないので縮んで隙間ができたり反ったりする心配もありません。
その分、価格はやや高くなっています。

樹種にはウォールナット(クルミ)、オーク(カシ)、チェスナット(栗)、チェリー(桜)、ローズウッド(紫檀)など様々な種類があります。

広葉樹の方が、色や木目のバリエーションも豊富ですし、樹種によってそれぞれ特徴が異なります。

針葉樹について

針葉樹は気に含まれる空気の割合が多いので軽さと柔らかさがあるのが特徴です。
肌触りもいいですし、香りも豊かですから、昔から日本の住宅では好まれて用いられてきました。

質感が素朴な分、比較的リーズナブルに手に入れることができますよ。樹種としてスギ、ヒノキがあります。

お子様とフローリング

夏は素足で歩くと気持ちいいですよね。
夏場は暑いので足がむれやすかったりもしますが、無垢材には調湿作用があるので、快適な状態で過ごすことができますよ。

家庭ではもちろん、学校の体育館や自治体のレクリエーション施設などにも利用されて、削り出すことにより表面を美しく再生することが可能です。

例えば私たち株式会社ジェブでは、サンディングマシーンという特殊な機材を用いて、無垢材を薄く削り出し、新築同様に生まれ変わらせるサービス「サンディングコート」を提供しています。

サンディングコート

せっかくコストの高い無垢材なので、一からすべて張替えるとコストも莫大なものになります。ぜひ表面を薄く削るリフォームでコスト削減して新築同様に生まれ変わらせましょう。

フローリングなら張り替えが必要でも、無垢材なら安心して簡易的にリフォームすることができますね。長い目で見るとフローリングよりお得です。

複層(複合)フローリングに
ついて

複合フローリング

そして2つ目、複合フローリングです。
複合フローリングとは合板の基材の表面に突板(つきいた)と呼ばれる薄い天然木を貼ったり、木目が印刷された特殊フィルムを貼り合わせるなど人工的に加工されたフローリング用の素材のことを指します。

突板の場合は木材なので、無垢フローリング同様、樹種のバリデーションごとに色柄や風合いに特徴があります。

複合フローリングは傷がつきにくいのが特徴です。家具など重いものを置いても大丈夫ですし、うっかり物を落としてしまったとしても傷になりにくいです。

ある程度の耐水性もあるため液体をこぼしても拭くだけで済みます。
小さなお子様がいたり家具がたくさんあったりするご家庭では複合フローリングにする方がお手入れやメンテナンスが楽だといえるでしょう。

複合フローリングは価格が安いのもメリットです。
あまり床にお金はかけたくないけど耐水性や耐久性は欲しいし、掃除も楽に済ませたいという方にはぴったりですよ。

フローリングイメージ

床暖房や防音機能付きの床もありますので用途に合わせていろいろ選ぶことができます。
デザインも豊富ですので部屋やイメージ・雰囲気に合わせてコーディネートするのもいいですね。

複層フローリングは、ある程度の防水性や耐久性はあるとはいえ、すべての機能を高めたものは非常に少ないものです。

また、無垢材のように表面を薄く削り出すはできません。ごく薄い天然杢が貼ってあるので、削ると更に下地の部分が見えてしまうことがあります。

そこで、複層フローリングには「フロアコーティング」を併用して、保護していく必要があります。

フロアコーティング「EPCOAT」は、複合フローリングはもちろん、無垢材にも使用することが可能です。

フロアコーティングに対応する品番や商品名などについては、株式会社ジェブにお気軽にご質問ください。

監修者

石井琢磨
  • 株式会社ジェブ
  • コーティングアドバイザー

石井琢磨

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