フロアコーティングの種類比較と選び方

フロアコーティングの種類比較と選び方

フロアコーティングと呼ばれるコーティング剤にもいくつかの種類(原料)があり、効果や価格などが異なります。

今回、よく使用されるガラスコーティングUVコーティングなど、4つの代表的なフロアコーティングについて、違いを説明いたします。

フロアコーティングイメージ

4つの代表的な
フロアコーティング

フロアコーティングには大きく分けて「ウレタン」「シリコン」「UV硬化」「ガラス」の4種類があります。

それぞれ耐久年数や仕上がり、メンテナンス性に違いがあるため、ご家庭のライフスタイルや求める条件に合わせて選ぶことが大切です。

横にスワイプで詳細が見れます
主要なフロアコーティング4種類の性能比較
ウレタン
コーティング
シリコン
コーティング
UV硬化
コーティング
ガラス
コーティング
耐久年数3年~10年5年~10年10年~20年20年~30年超
光沢強い強いとても強い控えめ
耐傷性弱い弱い強い強い
防汚性弱いとても強い強い強い
耐薬品性弱い普通とても強い強い
紫外線弱いとても弱い弱い弱い
劣化摩耗・変色摩耗・変色変色なし

この表は、4種類のフロアコーティング(ウレタン/シリコン/UV硬化/ガラス)の違いを一目で把握するための要約です。

低コスト重視は「ウレタン・シリコン」、長期耐久とメンテ負担の少なさは「UV・ガラス」が目安。ツヤ重視なら「UV」、自然な質感なら「ガラス」。

防汚は「シリコン・UV・ガラス」、耐薬品は「UV・ガラス」が優位です。

詳細な歴史やメリット・デメリットは、次の章で詳しく解説します。

フロアコーティングの
種類と歴史について

ウレタンコーティング

ウレタンコーティング

フロアコーティングの中では一番歴史があり、安価で施工が可能なため施工実績は一番多い。
ただし性能的にはワックスを強くした程度で、近年開発された液剤よりも効果は低い。

今から20年以上前、フロアコーティングという存在がまだ世の中に無かった時に、ウレタンコーティングは先駆者として広まっていきました。

当時ワックスが主流だったフローリングメンテナンスの業界に、耐久力の高いウレタンコーティングが受け入れられ、需要が増えた形となります。

現在でもウレタンコーティングを主に取り扱っている業者も多く、歴史も深いので施工された実績は一番多いものと思われます。

ワックスに比べれば価格は高いのですが、現在主流のガラスやUVに比べて安価に施工できるので、マンションのオプションなどで付けられる事もあります。

価格が安い分耐久性はさほど無く、一般的に2~3年の耐久性となり、効果もワックスを強くした程度のものとなります。

メリット

フロアコーティングの中では価格が最も安価

施工も簡単にでき、施工実績も多いので、施工する床材との相性などが事前に判断できる事が多い。

塗り直しや剥離も比較的容易なので、ワックスのように液剤を購入して自分自身で施工することも可能

デメリット

水性タイプなので、水や薬品に非常に弱く、表面が劣化してしまう事がある。

硬度も低いため、少しの衝撃で傷がつきやすく剥がれやすい

ワックスのように毎年のメンテナンスは不要だが、2~3年おきに塗り直しやメンテナンスが必要になる。

シリコンコーティング

シリコンコーティング

ウレタンと同時期に出回り、ウレタンよりも高い耐久性を持つ。 グリップ力や撥水効果が高い。価格帯はウレタンより高く、UV・ガラスより安い。

シリコンコーティングも、ウレタン同様フロアコーティングの初期に開発されたものです。

ウレタンコーティングよりも耐久力がありますが、その分値段も高めとなり、消費者のニーズによって使い分けがされていました。

日常で目にするシリコン素材を想像してもらえればわかるのですが、グリップ力が強く、フロアコーティングの中でも滑りにくい仕上がりとなります。

防滑性を一番にお考えの方は、シリコンコーティングをオススメします。

また、水性のウレタンコーティングに比べて水にも強く、撥水力が高いのも特徴です。

しかし薬品などには弱く、使用する薬品によっては化学反応や剥がれ、汚れなどが目立つケースがあります。

メリット

グリップ力があり、滑り止め効果が高いので、ペットがフローリングで滑ってしまう心配や、お年寄りのスリップ防止などに役立つ。

またウレタンに比べ水にも強く撥水性が高いため、水拭きでの掃除にも向いている。

デメリット

耐久性が高いわけではなく、数年後にシリコン特有の黄変(変色して黄ばんでしまうこと)が出てきてしまう事がある。

また、薬品に弱かったり、硬度もさほど高くなく、傷や摩耗に弱い。

グリップ力も年数に伴い低下してくるため、メンテナンスが必要に。

UV硬化コーティング

UV硬化コーティング

UV照射器で紫外線を当てて固める、ツヤ感が高いフロアコーティング。原料は安価だが、 施工に技術と手間が必要なため、単価は高め。ガラス普及以前には圧倒的なシェアがあった。

「UVコーティング」の名称で販売される事が多く、15年ほど前、ガラスコーティングが出るまでの時期は”フロアコーティング=UVコーティング”との認識があったくらい圧倒的なシェアを誇っていました。

その仕上がりは、床がピカピカになるほどの光沢感があり、グランドピアノの表面に例えられるほど。

その名称から、紫外線を防止する効果を持っていると思われがちですが、実際はUVコーティングを塗布した後、硬化(表面を固める作業)時にUV照射機を当てながら硬化するため、UVコーティングと呼ばれるようになりました。

紫外線のカット機能があるかどうかは、含有される成分によって異なるので注意が必要です。

UVコーティングの液剤自体は安価なものですが、先程述べたように硬化の際にUV照射機を使用するため、機材代や技術代などがかかってしまい、施工料金は高めとなっています。

専用の機材が必要なため、個人で塗ろうと思っても難しいコーティングです。

メリット

水や薬品にも強く、普段のお掃除がとても楽に

ウレタンやシリコンコーティングに比べて耐傷性も高く、耐久性もあるので綺麗な床を長期間保つことが出来る。

滑り止め効果もあり、バランスの取れたコーティング剤。

デメリット

光沢がありすぎるため、好みや感覚にもよるが一般的な住宅には合わないとの声も多く、またその光沢の強さから傷も目立ちやすくなってしまう

施工に手間がかかるため、施工中の埃の混入率が高い。

無機系のガラスコーティングとは異なり経年劣化を起こして将来的に見た目の違いが生じてしまう為、10~30年後にはメンテナンスが必要になってくる。

ガラスコーティング

ガラスコーティング

1番歴史が浅い、フロアコーティングの中では一番新しい。近年ではシェアが一番多い。 他のコーティングに比べて無機系なので、液剤の劣化は無く高い耐久力を誇る。艶も控えめ。

一番新しいフロアコーティングであり、歴史はまだあまりありません。

他のフロアコーティングとは異なり、一度塗ったら塗り直しやメンテナンスが不要となります。

これは、主原料のガラス液剤が無機系となっており経年劣化を起こさないためで、近年でのガラスコーティングのシェア率は一番高いものとなっています。

UVコーティングのように施工時に大きな機材を必要とするわけでもなく、施工の手間も比較的かかりませんが、原料自体の単価が最も高いのがガラスコーティングとなっており、値段を取るか性能を取るかでフロアコーティングの選択を迷われる方もいます。

また、光沢感が弱く、マットな仕上がりになるのもガラスコーティングの特徴で、ツヤが出ずフローリングの質感を活かした自然な仕上がりになるため、それを好んでガラスコーティングを選ぶ方も増えています。

メリット

耐久性や耐傷性が群を抜いて高い。

無機系のコーティングの為、経年劣化(年数が経つことによって起こる自然の変化)がほとんどなく塗り直しが不要。

床材の性能が全て上がるため、コストパフォーマンスに優れている。

デメリット

他のフロアコーティングに比べて光沢が弱いため、艶を好む方には不向き。

殆どの薬品に強いが、パイプユニッシュなどに使われる次亜塩素酸に反応してしまう場合がある。

液剤の単価が他のフロアコーティングに比べて高い。

ケースごとのおすすめ

小さなお子様がいるご家庭

食べこぼしや水ハネ、クレヨン汚れなど日常の汚れ対策を重視するなら、ガラスコーティングがおすすめ。

光沢が控えめで落ち着いた見た目を保ちながら、防汚性・耐傷性・耐薬品性のバランスが良く、拭き取りもラクです。

ツヤ感を優先するならUV硬化も候補に。

ペットと暮らすご家庭

爪キズ・ヨダレ・トイレ周りのニオイ移りに強いことがポイント。

ガラスコーティングと・UV硬化は耐傷性・耐薬品性がとても強いため、引きずりキズや清掃時の薬剤使用にもタフです。

ナチュラルな質感を好むならガラスを、光沢を重視するならUV硬化を選ぶと良いでしょう。

※シリコンは防汚に優れますが、耐傷性は弱めなので家具の移動が多い場合は注意。

ご高齢の方がいるご家庭

ご高齢の方にとって、フローリングの強い光沢や照り返しは視認性を下げ、段差や物の位置を見誤る原因になることがあります。

これにより、つまずきや転倒のリスクが高まるといわれています。

その点、光沢が控えめなガラスは眩しさを抑え、滑りにくい仕上がりで安心。

さらに長期耐久(20~30年超を目安)で張り替えサイクルを伸ばしやすいのもメリットです。

日々の手入れ負担を減らしたい方にもおすすめです。

共働きで掃除はサッと済ませたい

「とにかく落ちやすく、しみになりにくい」ことを重視するなら、ガラス(防汚・耐薬品:強い)かUV硬化(耐薬品性:とても強い)。

調理油・調味料・マジック汚れなど、落としづらい汚れへの耐性で選ぶと後悔がありません。

初期コストを抑えたい

初期コストと見た目の変化を重視するなら、ウレタンやシリコンも選択肢。

ツヤが強く映えやすい一方、耐久や耐傷は控えめなので、定期的な塗り直しが必要です(ウレタン:3~10年/シリコン:5~10年が目安)。

特にシリコンは防汚性に優れる一方で紫外線に弱く、変色のリスクがあります。

さまざまなケースに応える
「ガラスコーティングEPCOAT」

ここまで見てきたように、ライフスタイルごとにおすすめのコーティングは変わりますが、幅広いニーズに対応できるのがガラスコーティング「EPCOAT(イーピーコート)」です。

EPCOATは、20年以上の高耐久性を誇り、ワックスの約1,000倍ともいわれる強度でフローリングを長期的に保護します。

光沢は控えめで自然な質感を活かしつつ、耐傷性・防汚性・耐薬品性のバランスに優れているため、赤ちゃんやペットがいるご家庭、高齢者の方が暮らす住まい、さらには共働き世帯や投資用物件まで、安心して導入いただけます。

また、EPCOATはホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆を取得し、VOC13物質を含まないため、施工後も室内空気への影響が少なく、健康面でも安心です。

「汚れがつきにくい」「掃除がラク」「床が傷みにくい」といった日常のメリットに加え、床材の美観を長く維持できることも大きな魅力。結果として、将来の修繕コスト削減や資産価値の維持にもつながります。

つまり、ライフステージや住環境が変わっても安心して選び続けられるのが、EPCOAT最大の強みです。

フロアコーティングを検討する際は、ぜひEPCOATをご検討ください。

監修者

中島敦輝
  • 株式会社ジェブ
  • コーティング施工技術者・防除作業監督者

中島敦輝

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