フローリングワックスの種類とかけ方

フローリングワックスの
種類とかけ方

フローリングワックス、
フロアワックス、
床ワックスの基礎知識

フローリングワックスのメリット・デメリットをご存知ですか?

フローリングワックス、床ワックスフロアコーティングの違いは、ワックスは定期的なメンテナンスが必要な事です。

ここでは、床ワックスの種類や特徴、一般家庭用と業務用フローリングワックスの違いなどの特性やワックスをかけたフローリングのお掃除方法について説明します。

ワックスフローリング

フローリングワックス、
フロアワックスの
種類と特徴

床ワックスの成分はアクリルやウレタンが殆どです。

フローリングワックス、床ワックスには、水性と油性タイプがあり、油性ワックスはオイルステン仕上げした床用で、塗装したフローリングや床材には使用しません。

床ワックスの種類は大きく分けて「水性ワックス」「樹脂ワックス」「半樹脂ワックス」「乳化性ワックス」の4種類があります。

それぞれ異なる特徴があり、ワックスがけやメンテナンスの際は床材に合わせてワックスを選ぶ必要があります

水性ワックス

水性ワックスは、天然または合成のロウを乳剤にしたワックスのことです。

塗った後は光沢はほとんどありませんが、空拭きすることでより光沢を出すことができます。

メリットはコストが安く導入しやすいことです。

ワックスを施工する際の原材料や道具はホームセンターやネットショップで購入可能で、施工自体も比較的簡単に行うことができ、塗り直しの際の剥離も簡単で扱いやすいのが特徴です。

デメリットは、耐久性が低いので2~3か月に一度ワックスがけが必要になります。

また、他のワックスと比べると床が滑りやすくなるため、特にお年寄りや小さいお子さん、ペットがいるご家庭には不向きです。

樹脂ワックス

樹脂ワックスは、ウレタン樹脂やアクリル樹脂など、合成樹脂を乳剤にしたワックスのことです。

水性ワックスと比べると光沢が出ることや、耐久性が高く、水・洗剤・摩擦に対しても比較的耐性が強く滑りにくいのが特徴で、現在最も使われているワックスです。

クッションフロア(ビニル床)、木材、石材・コンクリート製の床など様々な材質のものに塗ることができます。

ただし、無垢材(無垢フローリング)には使用することができないものが多いので注意してください。

メリットは、水性ワックスよりも耐久性が高く光沢が出るため保護と美観の両方を得ることができることです。

耐久性が高いので水性ワックスよりも定期的なワックスがけの手間がかかりません。

デメリットは、施工が難しく、水性ワックスのように気軽にワックスがけすることができません。

きれいに仕上げるには専門の業者に頼む必要がありますのでコストが高くなってしまいます。

半樹脂ワックス

半樹脂ワックスは、水性ワックスと樹脂ワックスの中間の性質を持ったワックスのことです。

樹脂ワックスと比べると耐久性や光沢は劣りますが、水性ワックスよりも光沢があり、施工しやすく剥離が簡単です。

クッションフロア(ビニル床)やゴム系床材・リノリウム系床材などのやわらかい床で用いられることが多いです。

乳化性ワックス

乳化性ワックスは、白木や無垢材など未塗装の木材に使用するワックスで、ロウと溶剤を主成分として作られています。

他のワックスとは違い、表面の汚れや水分から木材を保護する事を目的としたワックスなので光沢はあまり出ません。

ワックスの密着不良や白濁などは起こりませんが、耐久性はあまりありませんので定期的なワックスがけが必要です。

無垢材へのワックス塗布

一般家庭用ワックスと
業務用ワックスの
違い

一般家庭用ワックス業務用ワックスの違いは、簡単に言うとその成分濃度の差となります。

濃度差は、そのまま保護膜の厚さとなり、業務用ワックスを1回塗るのと、一般家庭用ワックスを3回塗るのとほぼ同一の保護膜になります。
どちらもアクリル樹脂やウレタンが主な成分になります。

横にスワイプで詳細が見れます
種類 用途 良い点 悪い点
一般家庭用
ワックス
低濃度アクリルウレタン樹脂を使用したもので、成分濃度2~10%程度のもの 樹脂成分量が少ないので作業性が良く、塗りムラが出来にくいので初心者でも塗布可能 耐久性が悪く、定期的なメンテナンス(約1カ月~6カ月)が必要
業務用
ワックス
高濃度アクリルウレタン樹脂をしたもので、成分濃度20%以上のもの 樹脂成分量が多い為、塗膜が厚くなり、艶光沢に優れている。一般家庭用と比べ耐久性がある(6ヶ月~2年) 樹脂成分量が多い為、作業性が悪く塗りムラが出来やすい

フローリングワックスが
用途として
向いているもの不向きなもの

フローリングワックスは、薬品や洗剤を使用せず比較的使用頻度の低い場所に施工するなら問題はありませんが、水、特にアルカリ洗剤、溶剤(シンナー)等に弱く、普通の水でも長時間放置すると白く変色してしまう為、薬品や洗剤を使用する場所で、使用頻度の高い場所には適していません。

このような場所にワックスをかける場合は、防水性・耐水性に優れたタイプのワックスを使用する事をおすすめします。

フローリングの床材によっては使用できるワックスが限られてしまいますが、クッションフロア(ビニル床)は他の床材と比べると使用できるワックスの種類が多いため光沢感や耐久性、メンテナンスのしやすさなどワックスの特徴を比較して用途や好みに合ったワックスをかける事ができます。

樹脂ワックスや耐水性・耐久性など性能を強化したワックスはワックスを塗り替える際の剥離作業が難しくなります。

ワックスを選ぶ際は性能だけでなく重ね塗りや剥離作業の事も考えた上で選ぶようにしてください

ワックスのかけ方(塗り方)

ワックスをフローリングにかける前に、きちんと掃除することはとても重要です。

汚れや埃があると、ワックスが効果的にフローリングに浸透せず、塗布した意味が薄れてしまいます。

そのため、掃除は念入りに行いましょう

しかし、掃除が煩わしい場合もありますよね。

そんなときには、あらかじめ洗浄成分が配合されたワックスを選ぶと手間を省くことができます。

これにより、洗浄と同時にワックスを塗ることができ、時間と手間を節約できます。

フローリングを掃除した後は、必ず余分な水分を拭き取りましょう

余計な水分が残っていると、ワックスが適切に密着せず、仕上がりにムラが生じる可能性があります。

また、水分が残っているとワックスの乾燥にも時間がかかり、作業効率が低下することがあります。

ワックスを塗る前に、マスキングテープなどで塗りたくない場所を保護し、付着を防ぎます。

具体的には、フローリングと隣接する壁や家具などをワックスから保護する必要があります。

ワックスが付着するとシミになったりすることがあるため、しっかり保護しましょう。

下準備が整いましたらフローリングにワックスを塗布していきます。

使用前には、ワックスをよくかき混ぜておきましょう

ワックスを塗る際は、量を少なめにして、薄く均一に塗布することが大切です

厚すぎると塗りムラになったり、乾燥に時間がかかってしまいます。

塗り終わったら十分に乾燥させましょう。

ワックスかけイメージ

ワックスをかける際のポイント

  • フローリングをしっかり掃除する

    ワックスをかける前に、フローリングの表面をしっかり掃除しましょう。

    ホコリやゴミ、油汚れなどを取り除いて、表面をきれいにしておくことが重要です

    掃除機やほうき、乾いた雑巾などで掃除し、汚れがひどい場合は中性洗剤を使って拭き取りましょう。

    フローリングの溝や継ぎ目などの目地に入り込んだゴミや汚れは、爪楊枝や歯ブラシなど先の細かいものを使って取り除きます。

  • 余分な水分を拭き取る

    フローリングを掃除した後は、必ず余分な水分を拭き取りましょう

    水分が残っているとワックスがうまく密着せず、仕上がりに影響を与えることがあります。

    乾いた布巾でしっかりと水分を拭き取り、水気を完全に取り除いてからワックスをかけましょう。

  • ワックスはよくかき混ぜる

    ワックスを塗る前に、ワックスをよくかき混ぜてください

    ワックスは長期間保管されていると、成分が分離してしまうことがあります。

    よくかき混ぜて均一な状態にする事で効果的な塗布ができ、仕上がりも美しくなります。

  • ワックスを薄く均一に塗る

    ワックスをかける際には、量を少なめにして、薄く均一に塗ることが大切です

    多めに塗りすぎると、ムラになりやすく、乾燥に時間がかかったり、表面がベタついたりすることがあります。

    また、塗布する前にマスキングテープなどで塗りたくない場所を保護することも忘れずに行ってください。

  • 乾燥に時間をかける

    ワックスを塗った後は、必ず十分な時間をかけてしっかり乾燥させましょう

    乾燥時間は使用したワックスのパッケージに記載されている時間を守り、十分に乾いているのを確認してからフローリングを使用するようにしてください。

    気温や湿度によって乾燥時間が変わることがありますので、注意が必要です。

パウダリング現象に注意

ワックスを塗った後に、フローリングの表面に白い粉がつくことがあります。

この現象をパウダリング現象と呼び、フローリングワックスを塗布した後に起こる現象の一つです。

これは、フローリングに水分や汚れが残ったままワックスを塗ったときに発生しやすい現象で、ワックスが適切に乾燥せずに残ってしまったり、ワックスの質や種類、塗布方法などによって引き起こされることがあります。

特に安価なワックスや水性ワックスは、この現象がより顕著に起こる傾向があります。

ワックスを塗る際の塗布方法や厚さもパウダリング現象に影響を与えます。

ワックスを厚く塗りすぎたり、塗布した後に十分な乾燥時間を取らなかったりすると、パウダリングが起こりやすくなります

パウダリング現象が起こると、フローリングの美観が損なわれるだけでなく、床が滑りやすくなったり、掃除が困難になったりする可能性もあります

そのため、フローリングワックスを塗る際には、適切な乾燥時間を確保し、均一な厚さで塗布することが重要です。

床材に合った高品質なワックスを選び、適切な方法でワックスを塗ることで、パウダリング現象を防ぐことができます

一見、簡単そうに見えるワックスがけですが、綺麗に仕上げるには手間暇と技術が必要になります。

特に、パウダリング現象は、ワックスがけを行う上で最も気をつけなければならないポイントの一つです。

ワックスがけで失敗しないためにも、各工程を丁寧に行い、適切な方法で塗ることが大切です。

フローリングワックスは、
数ヶ月おきに重ね塗りが必要?

床ワックスは、磨耗で光沢が徐々になくなってきますので、数ヶ月おきに重ね塗りが必要となります。

その際、落ちきらない汚れやホコリがワックス層に混入して、フローリングの黒ずみの原因となります。

この黒ずみを解消するには、堆積したフロアーワックスを除去する為に剥離が必要になるのですが、これは素人には難しく、出来てもなかなか綺麗には仕上がりません。

また、剥離剤は超強力なアルカリ洗剤ですので、フローリングに対して決して良くありません。

剥離時にフローリングの隙間から剥離剤が侵入し、フローリングの反りやヒビ割れに繋がる事例が多々ありますので注意が必要です

ワックス剥離作業

フローリングワックスがけ後の
お掃除方法

フローリングワックスは水分に弱く、水拭きすると剥がれてしまいます

そのため、化学モップや乾拭きによるお掃除が薦められていますが、フロア上に飲み物をこぼしてしまった時などは、乾拭きでは汚れが取れないので、どうしても水拭きしたくなります。

この章では、フローリングワックスを施工した後のお掃除方法やメンテナンスについて説明します。

基本は空拭き

まず、ワックスがけ後の床掃除は、水拭きによるメンテナンスは控えるようにしましょう

その理由は、フロアワックスは水に弱く、水拭きしてしまうとワックスが剥がれるからです。

ワックスがけ後のフローリングのお掃除の基本は、乾いた雑巾や、クイックルワイパーなど市販の化学モップのドライ系商品による空拭きが一般的です。

ドライタイプではなく、ウエットタイプ(薬品付き)の化学雑巾などはその後のワックスメンテに悪影響のためおススメできません。

クイックルワイパーなどの化学モップを使用する場合は、ワックスがけをした直後の床だとワックスが剥がれてしまうおそれがあるので、ワックスが完全に乾いて保護膜ができ上がってからお使いください

水溶性ワックスの場合は、ワックスがけした後1週間程おいてからお使いください。

ワックスがけ後のフローリングのお掃除イメージ

水拭きを行う際の注意点

ワックスがけしたフローリングに調味料やジュース等の液体をこぼしてしまったら、水拭きをしたくなると思います。

その時はやむをえないので、床用の中性洗剤を水で薄めて雑巾やタオルを浸して、固く絞ったもので汚れを落とします。

汚れを落とした後で必ず水拭きと空拭きをして、残った洗剤の成分などをきれいに落としましょう。

洗剤を直接床に吹きかけるようなことはしないでください。ワックスが剥がれてしまいます

また、ワックスがけしたフローリングに消毒用エタノールや除菌スプレー等のアルコール分を含む液体をかけると化学反応を起こして白く変色してしまいますので、使わないように注意しましょう。

アルコール分を含む液体を床にこぼしてしまった際は速やかに乾いた布で拭き取ってください。

エタノールで白く変色したフローリング
エタノールで白く変色したフローリング

アレルギーの原因となるダニのフンや死骸が付着した場合にも、上記のように固く絞った雑巾などで拭いて、そのあとで空拭きで仕上げてください。

化学洗剤が床に付着したまま残ったものや、ダニのフンや死骸などは、しっかりと水拭きしてから空拭きをするなどして取り除かないでいると、ワックスがシックハウス症候群の原因になってしまう可能性もあります。

小さなお子様やお年寄り、ペットのいるご家庭では、くれぐれもお手入れを怠らないようにして下さい。

数年に一度はワックスの剥離を

このように、ワックスがけの後のお手入れは手間がかかり、とても面倒ですが、このようなプロセスを年に数回行えば、床をきれいな状態に保つことはできるでしょう。

ただ、何回もワックスをかけ続けるのではなく、数年に一度はワックス専用の剥離剤を使ってしっかりと落として、それから塗り直しを行うことをおススメします

ただし、長年ワックスを塗りかえていると、剥離するにもかなり根気や技術が必要となります。

剥離剤の扱いは簡単ではないので、慎重に行ってください。

ワックスだけではなく、床自体に悪影響があることもありますよ。

フローリングワックスの危険

最近のフローリングはワックスが塗れない事があるので注意しましょう。

手軽に塗れる事がメリットのワックスですが、最近のフローリングはシートフローリング(木目等を印刷した表面にMDF等の基材を重ねたもの)が主流になっており、床材の表面にEBコーティング(電子線照射型塗装)が施されているのでワックスが不要なワックスフリー、ノンワックス仕様になっているのが殆どです。

このタイプのフローリングにワックスをかけてしまうと、滑りやすくなって危険になったり、かえって汚れが付きやすくなってしまうので止めましょう

どうしても床を保護したいという場合はフロアコーティングを検討します。

シートフローリングの種類によっては相性が良くない場合も有りますのでご相談ください。

ワックス施工イメージ

フローリングワックスがけの手間

フローリングのワックスがけはフローリングの保護と美しい光沢を与える重要な作業ですが、その度に手間や労力がかかります。

ワックスがけを行うたびに、フローリングの掃除、汚れの除去、ワックスの塗布、乾燥までの時間が必要です

これを半年から一年に一度行うと考えると、その手間や時間は非常に負担となります。

特に、床の面積が広い場合や家具の移動が必要な場合、ワックスがけはさらに大変になります。

忙しい日常生活では、このような時間と労力を割くことは難しいことでしょう。

さらに、ワックスがけを繰り返すことでフローリングの表面のワックス層が厚くなり、ムラやベタつきが生じることもあります。

また、フローリングワックスの剥離剤を使用すると、床材に損傷を与える可能性があります。

これは、剥離剤がフローリングの表面に浸透し、床材の色や質感を変えるだけでなく、表面を傷つけることがあるためです。

特にデリケートな床材の場合、剥離剤の使用によるダメージが顕著に現れる場合があります。

このような問題はワックスがけの手間だけでなく、フローリングの美観や快適さにも影響を与えます

定期的なワックスがけは手間がかかるため、徐々に行われなくなる傾向があります

最初は定期的に行っていたワックスがけも、毎日の忙しさや仕事に追われ後回しになり、結果的に放置されてしまうことになります。

特に大きな家や多忙な生活を送る人々にとっては、フローリングのワックスがけは煩わしい作業となりがちです。

このような状況下では、手軽で効果的なフローリングの保護方法が求められます。

定期的なワックスがけを長年行わなかったフローリング 定期的なワックスがけを長年行わなかったフローリング

このようにフローリングワックスは維持するのがかなり大変な事なのです。

このような問題を一気に解決するのがフロアコーティングです。この機会にぜひ検討してみてください。

フロアコーティングは一度の施工で長期間にわたってフローリングを保護し、長期間美観を保つことができます。

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