フロアワックスの失敗談 ~後編~

前回、フロアコーティングではなく、価格の安いフロアワックスを施工することで、
年に1~2回塗り替えが必要になり、新居に住み続ける間は20年30年と繰り返さなければならず、その分手間や費用が多くかかってしまったということをご紹介しましたが、フロアワックスにまつわる失敗談はそれだけではありません。

今回は、フロアワックスをたびたび塗り替えることによって、どういったことが起きてしまったのか?
その失敗談を紹介します。

まず、頻繁にフロアワックスを塗り替えるということは、たいていの場合前に塗ったワックスを剥がさず重ねてどんどん塗っていってしまうということになります。

重ねて塗ることで、施工する前にいくら掃除をしたといっても、落ちきらない汚れやほこりなどがどうしてもワックス層に混入してしまうことになります。

 

これらの汚れやほこりは積もりに積もっていくと、フローリングの黒ずみの原因となってしまい、きれいなフローリングを保つために施工したことが、かえってフローリングの黒ずみになってしまったという話はよくあるのです。

きれいにするつもりのお掃除で、実は汚れを塗り込んでいるとしたらどうでしょう?ゾッとしませんか?

また、この黒ずみを除去するために剥離をするとなっても、剥離剤というのは、強力なアルカリ性の洗剤のことなので、使用方法を少し間違えると、フローリングそのものを傷めて劣化させてしまう原因にもなるのです。

剥離剤も色々あるので、しっかり検討してバランスのよい商品を選ばないといけませんね。ちなみにコストは高いですが、よい剥離剤は商品スペックもバランスよく、扱いやすいものです。

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出典:ワックス剥離剤 item.rakuten.co.jp

その他、別の失敗談として、フローリングの隙間から剥離剤が侵入してしまい、フローリングそのものが反ってしまったり、ひび割れてしまったりということが挙げられます。

さてここでご質問。あなたはフローリングの構造をご存知でしょうか?

フローリングには様々な種類がありますが、注文住宅や分譲住宅、新築マンションなどで現在主流のフローリングはたいていが「複合フローリング」。

複合フローリングとは、ベニヤを何層も重ねて作った基材の一番上に、木目プリントシートや2mm程度の厚さの薄くスライスした突板(つきいた)を重ねて貼ったものです。

フローリング断面

この一番表面の突板には「ナチュラルオーク」「ウォールナット」「チーク」など、住まいの家具やお好みに合わせて様々な樹種が選べるというわけです。

無垢のフローリングなどは、この板を1枚ずつ貼って行きますし、フローリングは行春が幾つか固まったものを1ブロックとして、重ね貼りして部屋全体に敷いていくので、ブロックごとの継ぎ目が一部屋の中にかなりたくさんあるというわけですね。

下記は簡易的なフローリングですが、分かりやすいのでイメージとしてご覧ください。

フローリングイメージ

出典:item.rakuten.co.jp

この、ジグザグの継ぎ目部分や断面に、先ほどお話ししたフロアワックス用の剥離剤が浸透してしまうのですから、さぁ大変。

フロアの表面を保護するどころか、肝心なフローリング本体の基材部分から劣化させてしまうことになるということです。

さあ、いかがでしたか?初めてのワックスをご検討中の方には驚きの地雷が潜んでいますよね。

ここでもう一度、フロアワックスとフロアコーティングで迷っている方は立ち止まっていただいて、長期的な視点で考え直して、検討してみてくださいね!